HACCP(ハサップ)とは

  • 「危害要因分析重要管理点」Hazard Analysis and Critical Control Pointの略です。

  • HACCPとは、食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法です。

  • この手法は 国連の国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同機関である食品規格 (コーデックス) 委員会から発表され,各国にその採用を推奨している国際的に認められたものです。

    厚生労働省HPから引用

何が変わる?

  • 2018年に食品衛生法が改正され、原則すべての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理を実施することになりました
    ※「すべての食品等事業者」とは食品の製造・加工、調理、販売、飲食店など食品を扱うすべての事業者。

  • 経過措置を経て、2021年6月1日から全面施行されました。
  • それぞれの事業者は規模や業種などに応じて「HACCPに基づく衛生管理」か「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」のどちらかの衛生管理を実施しなければなりません。

  • HACCPに基づく衛生管理」とはコーデックスのHACCP7原則に基づき、食品等事業者自らが使用する原材料や製造方法などに応じ、計画を作成し、管理を行うことです。
    【事業対象者】

    • 大規模事業者
    • と畜場(と畜場設置者、と畜場管理者、と畜業者)
    • 食鳥処理場(食鳥処理業者 ※認定小規模食鳥処理業者を除く)
  • HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」とは一般的な衛生管理を基本に、各業界団体が作成した「手引書」を参考にし、簡略化されたアプローチによる衛生管理を行うことです。
    【事業対象者】

    • 小規模事業者や飲食店等
      ※詳細はこちらの厚生労働省のページをご参照ください。

既往HACCP床材の問題点?

既往のHACCP床材は、ほぼすべて樹脂系の塗床が採用されいます。
その問題点として次のようなことが挙げられます。

  • 耐久性が無いため、頻繁に高額な改修工事が必要になります。

  • 改修工事期間は工場の稼働が止まり、高額な営業損失が発生します。

  • 滑りやすい(抵抗値が低い)ため、作業員の滑り転倒事故が多発しています。

  • 滑りやすい(抵抗値が低い)ため、作業員の作業効率が著しく低下します。

  • 耐久性が無いため、早期にトップコートが摩耗し、汚れや雑菌の染み込みが進行し、清掃に時間が掛かる状態になります。

食料品製造業 労災認定点灯事故件数

転倒事故は食品製造労災件数の約 30% を占めています!

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食料品製造転倒事故件数(2019年)
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食料品製造労災合計件数(2019年)

食料品製造業労災件数(2019年)

事故の種類労災件数構成比
転倒2,29229%
はさまれ・巻き込まれ1,63721%
切れ・こすれ98012%
墜落・転落6748%
その他2,38030%
合計7,963100%

中央労働災害防止協会「労働災害分析データ」より

上記の事故件数は、労災として認定された事故のみが含まれています。
労災として報告されていない(日常起こる転倒事故など)件数をすべて含めると膨大な件数になります。

HACCP床材適合 アンプロップ製品

ハイブリッドストーン「アベイラス アンプロップ」は

既往HACCP床材の問題点を解決し、下記の理由からHACCP床材として適しています。

HACCP床材比較表

項目アベイラス アンプロップ抗菌塗料樹脂系塗床
厚み10mm (*1)0.1mm3mm
LCC(20年間のトータルコスト)(*2)50,000円/m2235,000円/m2119,000円/m2
コスト
イニシャルコスト
(材料希望小売価格)
(工事設計価格)
50,000円/m23,000円/m215,000円/m2
一般的 耐久年数約20年約1年約3年
修繕費用-5,000円/m2 (*3)10,000円/m2 (*4)
改修工事に伴う
営業損失 (*2)
-132,000円/m244,000円/m2
食品加工工場
における要求性能
不浸透性・無吸水性
耐薬品性
耐衝撃性
引き摺り性
(傷の付きやすさ)
耐磨耗性
防滑性
(滑りにくさ)

(C.S.R.値:0.83)

(C.S.R.値:0.3前後)

(C.S.R.値:0.4前後)
清掃性
(掃除のしやすさ)

比較表がすべて表示されない場合、右へスクロールしてください。

(*1):ハードタイプ=10mm、フレキシブルタイプ=5mm
(*2):月商1憶円、利益10%、30日/月稼働、床面積250m2、改修工事期間5日として計算
(*3):塗装をすべてオーバーレイして塗装を塗り直し
(*4):中間層までをオーバーレイ(基礎層は残す)して塗り直し

HACCP対応防滑床材 施工事例

株式会社マルイリフードサプライ様 2016年12月施工

株式会社マルイリフードサプライ食品加工工場の外見

本社所在地:静岡県焼津市宗高 1475-1
設立:1966年5月23日 従業員数:84 人
事業内容:冷凍鮪類卸、水産加工業、冷蔵倉庫業、外食事業部
URL:https://www.maruiri.co.jp

施工前の課題(塗床)

施工後の効果

  • 劣化している塗床は凹凸ができ、水・残渣・ゴミなどによる汚れに悩まされていた。

  • 作業場は魚の脂で滑りやすく危険だった。

  • 工具や冷凍魚を床に落とすことがあるため、割れ・欠け・剥がれが起きやすかった。

  • リフォーム工事の頻度が多かった。

  • 経年による凹凸が無く、水はけも良いため清掃しやすく、より衛生的になった。

  • 導入してからの3年間転倒事故がゼロになった。

  • 工具を落としても割れ・欠けが生じていない。

  • 導入してから3年間リフォーム工事はない。

HACCP対応床材であるハイブリッドストーン アベイラス アンプロップを施工した工場での作業風景

魚の残骸による汚れ

HACCP対応防滑床材であるハイブリッドストーン アベイラス アンプロップをゴムワイパーで清掃中

魚の脂や死骸を撤去掃除

HACCP対応防滑床材であるハイブリッドストーン アベイラス アンプロップを施工した工場内

清掃性が高く汚れが落ちやすい

施工後画像

HACCP対応床材であるハイブリッドストーン アベイラス アンプロップを食品工場で施工した完成図の⑤
HACCP対応床材であるハイブリッドストーン アベイラス アンプロップを食品工場で施工した完成図の④
HACCP対応床材であるハイブリッドストーン アベイラス アンプロップを食品工場で施工した完成図の③
HACCP対応床材であるハイブリッドストーン アベイラス アンプロップを食品工場で施工した完成図の①

お客様コメント

旧工場の塗床では、工具や魚を落とした時の床面の傷に魚の脂、血のりや残渣が残ることで不衛生であったり、清掃時にも残渣を除去する手間が掛かってしまう問題がありました。

HACCP対応床材であるハイブリッドストーン アベイラス アンプロップを施工した工場関係者導入の経緯は何ですか?

工具や魚(冷凍)を落としても床がほとんど傷がつかず、3年経った今でも変わらないことに驚いています。(2020年現在)

HACCP対応床材であるハイブリッドストーン アベイラス アンプロップを施工した工場関係者HACCP対応のタイル製品を採用していかがでしたか?

旧工場で使用していた塗床の経年状況では、水たまりや割れ欠けがあり十分に乾いた状態が得られませんでしたが、この床材になってからは夜間の除湿だけで床面が乾燥し、カビが発生しにくい環境を維持してくれています。また、防滑効果のおかげで新工場になってから転倒事故がゼロになりました。

HACCP対応床材であるハイブリッドストーン アベイラス アンプロップを施工した工場関係者他にも使用されて良かったことはありましたか?

導入のための施設・設備の要件

  • 【食品衛生法 施設基準 別表第二(第三条関係)一共通基準1構造(一)施設】の項に「 (五)作業場の床は、耐水性材料を用い、排水がよく、かつ、清掃しやすい構造であること。」とあります。

    参照資料

  • 前述の施設基準を受け【HACCP導入のための施設・設備の要件と保守点検および衛生管理 3建物の内部 ⑵床、内壁、天井、扉、窓 ① 構造の要件 ア床】の項で「床は、不浸透性、耐磨耗性、耐薬品性で、滑りにくい材料を用い、平滑で清掃が容易に行える構造であり、排水を維持するため排水溝に向かって適切な傾斜(100分の1.0~2.5)を有すること。」という要件の記述があります。

    詳細はこちらから

改正食品衛生法について

  • 食品衛生法等の一部を改正する法律が2018年6月13日公布(2021年6月1日施行)され、改正内容の主項目のひとつに【HACCPに沿った衛生管理の制度化】に盛り込まれました。

  • これにより、原則として、すべての食品等事業者(1回20食程度以上の集団給食施設を含む)に、一般衛生管理に加え、HACCPに沿った衛生管理の実施が求められました。

  • 万が一食品衛生に関する危害が発生し、食品衛生法違反となった場合は 3 年以下の懲役または 300 万円以下 ( 法人は 1 億円以下 ) の罰金が課せられることになります。

    厚生労働省HPから引用

罰則について

  • 改正食品衛生法では、HACCP義務化を定めた法律—食品衛生法五十条の罰則がHACCP義務化を無視した時の罰則に当たり、「都道府県知事等は、公衆衛生上必要な措置について、第一項の規定により定められた基準に反しない限り、条例で必要な規定を定めることができる。」としています。
  • HACCP義務化を無視する等、地方自治法においては都道府県が定めることができる条例における罰則として「条例に違反した者に対し、二年以下の懲役若しくは禁錮、百万円以下の罰金、拘留、科料若しくは没収の刑又は五万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。」としています。

    参照資料

ハイブリッドストーン「アベイラス アンプロップ」についてさらに詳しく知りたい方へ

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